大抵の人は話を「聴いて」いない
「穴とドリル」という小話をしよう。
人は本当に話を「聴いて」いるかどうか、を知るきっかけになる。
とあるホームセンターの店員の話である。
ある日「ドリルが欲しい」というお客様が
そのホームセンターに訪れた。店員は「ドリルが欲しい」という話を聴くなり
「このドリルは高性能ですよ、こちらであれば手ごろ価格ですよ」
と早速販促を始めた。...この店員は、お客様の話を「聴かずに終わってしまった」
聴かずに終わってしまった?「ドリルが欲しい」と聴いただろ
と考えている人は、次の質問に答えられるだろうか。
- お客様は
- 「なぜ」ドリルが欲しいのか
- 「具体的に」どういったドリルが欲しいのか
- 「例えば」どのようなドリルが欲しいのか
答えられなければ、お客様の話を「聴いて」いない。
もし、お客様が
「紙に穴を開けたいから、ドリルが欲しい」
ならばどうするか。
本当にドリルを売るべきだろうか。
千枚通しやパンチャーなりを、代替商品として提案すべきではないだろうか。
話の「聴き」方
ここまでの話の通り、たいていの人は話を聴けていない場合がある。
では、どう「聴く」べきか。
以下の 3 つを抑えることだ。
- 「なぜ」で理由を探る
- 「具体的には」で考えを理解する
- 「例えば」で想像を把握する
「なぜ」で理由を探る
人は、話を持ち掛ける理由を持っている。
この理由を探るために「なぜ」を使う。
なぜ、ドリルが欲しいのですか
お客様からは次のような理由を聴いたら
別の商品を提案できるはずだ。
紙に穴をあけたいと思いまして。
ドリル以外に良いものが思いつかなかったものですから。
「具体的には」で考えを理解する
相手の考え把握するために、具体的なこと、を聴く。
さもなければ、聴いたであろうことは表面的になる。
具体的にはどういったドリルが欲しいでしょうか
次のように返ってくるだろう。
100 枚、多ければ 1,000 枚の紙に穴をあけるドリルですね。
それがあれば、楽に穴をあけられるかなと思いまして。
これを聴いてもドリルを販促したいだろうか。
「例えば」で想定を把握する
「具体的には」と似ているが、
相手の想定していることを把握するならば「例えば」を使う。
例えば、どういったドリルが欲しいでしょうか
そうすれば、想定内か想定外の答えが返ってくる
分厚い紙束に穴を開ける頑丈なドリルですね
枚数は、1,000 枚ぐらい。
木の板に穴を開けるような要領で使いたいです。
やはり、ドリルを奨めるだろうか。
まとめ
- 人の話を「聴く」には次の 3 つを抑える
-
- 「なぜ」で理由を聴く
-
- 「具体的には」で考えを聴く
-
- 「例えば」で想定を聴く